富山、特に高岡を中心とする県西部地域には、歴史的にも幾層にも重なる文化が見られます。古くは奈良時代、現在は高岡市に属する伏木には越中国衙が置かれ、大伴家持が越中守として赴任しました。中世には一向一揆の舞台にもなり、付近には勝興寺や瑞泉寺などの真宗系の寺院をはじめ、他にも前田家建立の国宝瑞龍寺(曹洞宗)や国泰寺(臨済宗)など名刹も多い所です。現在の高岡は、1609年、加賀2代藩主の前田利長が隠居後、現在の高岡の地に移り、高山右近の設計で城を築きましたが、その後江戸幕府による一国一城の命で廃城になるも、今度は商業町にすべく諸役免除の特権を付与することを条件に職人を呼び集め、鋳物業を興し、梵鐘、仏像、銅器などの全国的産地に育て上げたということです。
こうした歴史的な地域文化資源をこれからの地域づくりにどう活かしていくのか、文化経済学の可能性の検証も兼ねて検討します。
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